最近なんかブレーカーが急に落ちる、家電使ってないのに、電気代やたら高くなってる、コンセント触ったらピリッとした。
こんな経験ありませんか。それってもしかしたら漏電してるかもしれません。
ちょっとだから大丈夫かな??と「様子見」して放置していて事故になったら大変です。
電気の設備って、自分でいじって、危なくない?と心配に思いますよね。でも大丈夫です。基本的な仕組みがわかっていれば、自分でセルフチェックも可能です。
家庭での電気設備の仕組みや、同じことが起きないように事前にできる対策についても説明しす。自分で対処できることを理解し、必要であればプロの力を借りる、その判断をしましょう。
本記事で漏電の症状をセルフチェックの仕方をや原因について解説します。この記事を読めば、電気のトラブルに対して適切な対応ができるようになります。
漏電?まずは症状をセルフチェック
まず、今でどんな状況なのかセルフチェックをしてみましょう。
- 頻繁にブレーカーがおちる
- 電気料金が高くなる
- 金属部分や電化製品に触れるとピリピリする
- 特定の部屋や回路だけが停電する
- 雨が降ると停電する
1つずつ見ていきましょう。
頻繁にブレーカーがおちる
家電などを使っていて、ブレーカーが頻繁に落ちている場合です。
漏電が起きると、感電や火災を防ぐために漏電ブレーカーが作動します。
電気の供給か自動的に遮断されるので、ブレーカーが落ちるのは漏電のサインです。
電気料金が高くなる
電気料金が、使用状況に変化がないのに通常にくらべて異常に高くなっている場合です。
漏電によって、使用していない電気がさまざまな場所に流れて、無駄な電力消費が発生している可能性があるからです。
漏電したら電気を止めてくれる仕組みの漏電ブレーカーが設置してあるのが一般的です。。後述する漏電ブレーカーの仕組みを参考に正常に機能しているかも確認してみてください。
金属部分や電化製品に触れるとピリピリする
金属部分や電化製品に触れるとピリピリしているのは、人体を通して微弱な電流が流れている状態です。
本来電気が流れないはずの金属部分や電化製品の外装を通じて電気が漏れているからです。
電気を通しやすい性質をもっているためキッチンや浴室の水周りや湿気の多い場所には注意が必要です。
特定の部屋や回路だけが停電する
通常漏電が発生した部分のみ、電力供給をしないようにするため、漏電ブレーカーが作動し該当回路のみが停電します。
以下の場合が考えられます。
事象 | 理由 |
---|---|
電化製品の劣化 | 絶縁体が劣化することにより電流が外部に漏れるため |
配線トラブル | ネズミ等による配線がかじられ、屋内配線の絶縁装置が破損すため |
水漏れ | 水がコンセントや家電に接触するため |
たこ足配線 | 特定の回路で電力を過剰に使用することで負荷がかかるため |
雨が降ると停電する
雨天時に停電するのは、雨漏りや外部混戦の防水不良が原因の場合があります。
雨水が天井裏や屋内の電気配線に侵入し、劣化した絶縁体部分から漏電が発生するためです。
とくに屋根や外壁、屋外コンセントや照明などの経年劣化した機器は絶年性能が低下しやす傾向があります。
漏電とはどんな現象?簡単に解説
漏電とは、電気が本来流れるべき配線や回路から外れて外部へ漏れ出す現象です。電気を通さない絶縁体が劣化したり破損したりすることで発生します。
・住宅設備の中の電気の仕組み
住宅設備の中の電気の仕組みについて基本的に理解しておきましょう。
まず家の外と中で、電気設備については上の図のようになっています。

家の中の設備で覚えて置いてほしいのが、分電盤です。
分電盤はブレーカーが入っている箱で、一般的に、洗面所や玄関、廊下などに目立たない場所に配置されています。
電力会社から供給された電気を住宅内の回路に安全に分配する装置です。万が一、漏電したときにアースで電気を逃す役割になっています。
ブレーカーはなぜ落ちる?3種類のブレーカーの役割

分電盤を開けててみると、スイッチが沢山あります。でも、どれをどういじっていいのかわかならくて困ってしまいますよね。
実は分電盤の中のブレーカーには3種類あります。
- アンペアブレーカー
- 漏電ブレーカー
- 安全ブレーカー(配線用遮断器)
それぞれの役割で、家庭内での電気設備の安全を守る仕組みになっています。
1 アンペアブレーカー
電力会社との契約電流超えて使用している時に、全電源を遮断します。
一般的な家庭での契約アンペアは30~50A(アンペア)です。
もし過剰な電流を検知した場合、遮断され自動復旧されない設計になっています。
電気を使いすぎたか確認し、ブレーカーをいったんOFFにしてONにしても復旧しない場合は、アンペアブレーカー自体の故障の可能性もあります。契約している電力会社に連絡するようにしましょう。
2 漏電ブレーカー
漏電ブレーカーは、感電防止と火災予防の2つの機能を備えていいます。
漏電ブレーカーの仕組みとしては、15-30mAの漏電を0.1秒以内に検知し、電気を遮断し安全を守る仕組みになっています。
15mAくらいでも「ビリッ」と強い電気ショックを感じます。30mAくらいだと、自力で筋肉を動かして手を離すのが難しくなる(いわゆる「電気に張り付く」感じ)こともあります。
3 安全ブレーカー
安全ブレーカー(配線用遮断器)は、照明やコンセントといった個別の回路に過度に電流が流れるのを防ぐ仕組みになっています。
回路ごとに分散設計されているため、停電する範囲を最小化できます。
漏電の安全な調べ方
漏電しているかどうか安全な調べ方を手順ごとに解説します。
流れとしては以下の順に勧めていきましょう。
- ブレーカーの確認
- コンセント周りの確認
- 家電製品の確認
順番に見ていきます。
ブレーカーの確認

1安全ブレーカーを「切」にする
分電盤右側にある全ての安全ブレーカーのスイッチをすべてOFFにします。
2 異常の回路の特定
安全ブレーカーを1つずつ「入」にして、漏電ブレーカーが落ちる回路を特定します。
漏電している回路が特定できたら、漏電に該当する部屋がわかるので、どの家電が漏電しているのかを確認します。
なお安全のため、漏電箇所の家電のプラグは安全ブレーカーを「切る」の状態で抜くのを忘れないでください。
コンセント周りの確認
家庭でコンセント周りの漏電の確認には、まずコンセントやプラグの見た目をチェックします。
たとえば、焦げ跡がないか、変色していないか、プラグがぐらついたり、コードが断線しかけていないかです。見た目に異常があれば、使用を中止します。
次に コンセントにさしている機器を一度全部抜きます。
すべての電化製品をコンセントから外して、漏電ブレーカーが落ちるか確認抜いた後もブレーカーが落ちるなら、コンセントそのものや配線が怪しいと考えられます。
家電製品の確認
コンセント周りをチェックした後は、家電製品本体に漏電がないかも確認します。特にエアコン、洗濯機、冷蔵庫は漏電しやすい家電です。
・エアコンの漏電チェック方法
ブレーカー切った状態でプラグを抜きます。プラグやコードを見て、焦げ跡、破損、コードの亀裂がないか観察しましょう。再びプラグを差してエアコンを運転します。
エアコンをつけた瞬間にブレーカーが落ちたら、エアコン内部が原因の可能性があります。
エアコンは特に、内部で水漏れしていると漏電しやすいので要注意です。
・洗濯機の漏電チェック方法
電源プラグを抜いて、プラグやコード、特に水周り(排水ホース付近)をよくみて異常がないか確認します。次に洗濯機を水なし運転(槽洗浄コースなど)で試してみます。
運転中にブレーカーが落ちたら、内部モーターか基盤に異常がある可能性があります。洗濯機は水を使うため、年数がたった機種ほど漏電リスクが高くなります。
・冷蔵庫の漏電チェック方法
プラグを抜き、プラグ・コードをみて 劣化・亀裂・焦げ跡がないかをみます。しばらく冷蔵庫を休ませ、再び電源を入れ、冷却ファンが回るタイミングで異常が出ないか確認です。
コンプレッサーが動き出したときにブレーカーが落ちるなら、冷蔵庫内部に漏電していかもしれません。冷蔵庫はモーター部(裏側)が原因になる場合が多くあります。
日頃が大切!漏電を防ぐ対策法
実は日頃から漏電を防ぐ対策もあるのでご紹介します。
・定期的にブレーカーのテスト
年に1〜2回、漏電遮断器(漏電ブレーカー)のテストボタンを押して動作確認をおすすめします。
・コンセント周りの掃除
特にホコリがたまりやすい場所(水回り・キッチンなど)はこまめに拭き取ると汚れをとるだけでなく故障防止にも役立ちます。
・ たこ足配線はしない
コンセントに無理にたくさん差すのはよくありません。必要以上の家電を同時使用しないようにしましょう。
・電源コードやプラグの定期点検
コードの早目の交換曲がったり、擦れて傷んでいたら早めに交換を心がけましょう。
コードが曲がっていたり、擦れていたんでいたら、要注意です。プラグが熱を持っていたらすぐ使用を中止します。
・水回りの防水対策
防水カバーありのコンセントをキッチン・洗面所・浴室近は使うようにする。水気のある場所で家電を使うときは、できるだけ距離を取るようにします。
・古い家電の早目の買い替え
特に10年以上経った家電は、内部劣化による漏電リスクが高まります。
・家の電気設備点検をプロに依頼する
数年に一度、電気工事士など専門家にチェックしてもらうと安心です。
漏電は自然に治らない
漏電は自然に治りません。漏電したまま電気を使い続けるとどうなるか心配ですよね。
漏れた電気に触れてしまうと、ビリっと感電する危険があります。
たとえば10mAの電流で筋肉が痙攣し、、50mA以上で心室細動が起き、最悪の場合死に至る可能性もあります。
特に小さい子どもや高齢者がいるご家庭は気をつけましょう。「知らない」で触ってしまっって、思わぬケガにつながるリスクが高いです。
漏電がひどくなると、熱を持って発火する場合もあります。総務省消防庁のデータでは、電気火災の原因の約3割が漏電との報告があります。
漏電は「家事が起こる前兆」ともいえます。記事内でご紹介したセルフチェックをしても、「なんかおかしいな」「不安だな」と思ったら、専門業者に点検・修理をおすすめします。
資格のない人が電気工事を行うのは法律で禁止されています。特定できない・修理が必要な場合は、 電気のプロ、漏電修理対応している電気工事業者に依頼するようにしましょう。
参照元:
・漏電とは|関東電気保安協会
・家庭の電気配線|関東電気保安協会
・電気器具類を原因とする住宅火災の現状|総務省消防庁